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 今を遡（さかのぼ）る事、４０年以上前、能登半島に、玉（たま）のような男の子が生まれました。地元小学校から地元中学校に上がる前、小学６年生は担任に連れられて中学校を見学に行くのですが、その際、体育館で体育座りをしながら説明を聞いていると、その中学校の校長先生が、「お前か？噂の悪ガキは・・・」とわざわざ言いに来たそうです。まさに札付きです。な、な、なんと、下駄箱から自分の靴を取ったら、中に画びょうがいっぱい入っていたのです。彼曰（いは）く、もしも画びょうを取り除いて靴を履いたら、そいつに負けた事になるので、画びょうが入ったまま靴を履き、刺さった状態で戦ったそうです。ただ、その結果、入学式早々、校長室に連れていかれ、こっぴどく説教を食らう事になりました。すると、校長は、黙りこくってしまったそうです（笑）。また、剣道部に属し、県内でトップランクの選手だった為、剣道に差し支えるという理由で、タバコもシンナーも吸いませんでした。それに、おやつはいつも「油で揚げた、食パンの耳」だったそうです。そんな境遇もあり、ついつい、スーパーで「ビックリマンチョコ」を万引きしてしまった事はありましたが、弱い者いじめをしたり、カツアゲをしたりは無かったようです。ただ、働きたくなかったみたいで、卒業後は、金髪のロングヘアーをなびかせ、遊び人として暮らしていこうと考えていました。金髪のロン毛は、ゴムで後ろに束ね、背広の中に押し込められたようです。競争率は、１４倍の難関です。と、と、ところが、小論文試験と面接試験だけで、彼は、倍率１４倍の難関を通り抜け、見事、合格してしまうのです。彼は、「介護職なんて必要ない。本来、家族が温かく世話をするべきだ。また、面接も、受験マニュアル的な答えではなく、その場その場で腕組みをしながら自分で考え意見を述べたのが、高評価につながったみたいです。一生懸命頑張ったようです。もう少しで３年目を迎えようとしていた、ある日、所長から、金髪とパーマについてネチネチと文句を言われ、それがきっかけとなり、積もり積もったイライラが爆発してしまったのです。そして、所長の目をギュッとにらみ付け、「おい、髪の毛が介護の仕事をするんかい・・・・・？」と、ドスの利いた声で凄（すご）んだのです。